40歳以上の20人に1人がかかっているというのが緑内症
実は40歳以上の20人に1人がかかっているというのが緑内症(りょくないしょう)の患者数。
目の使いすぎが緑内障のリスクを上げる
しかも、新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛やリモートワーク推進の今の時期、目の使いすぎでリスクが上がっている緑内障。その緑内障について分かりやすく解説します。
緑内障のしくみと症状
目の中を通る神経に障害が起こり、視野が徐々に欠けてしまう病気
緑内障とは、目の中を通る神経に障害が起こり、視野が徐々に欠けてしまう病気です。例えば緑内障になると「本来そこにあるものが見えなくなってしまう」という病気なんです。さらに、緑内障によって失われた視野は元に戻りません。また失明の可能性もある恐ろしい病気なんです
日本人が失明する原因の第1位
誰でもパソコンや携帯の時間が長くなって目が疲れたと感じることはあると思いますが、 緑内障は日本人が失明する原因の第1位で21%を占めています。続いて糖尿病網膜症15.6%、網膜色素変性12%、加齢黄斑変性9.5%、脈絡膜萎縮8.4%となっています。
緑内障は年単位でゆっくり進行し、気づきにくい
実際かかるとどのような暮らしの変化があるのでしょうか。実際の患者さんAさんの声を聞いてみると、現在は緑内障によって両目の視野の欠損が進み、左目の一部分しか見えていない状態だそうです。
カレンダー6月を見ていると4月はまったく見えてないんですよ。怖いんですね。「よくになるって事がない」って言われるのがすごくがっかりです。
そんなAさんが最初に目の異変を感じたのは40代後半の頃でした。
車を運転してて、横の側溝などが見えず、脱輪しそうになることも。全然見えなかったですね。「あれなんだろう?」と思いましたが、他に何もなかったんです。元々の運転には自信があったんですが、突然車庫入れがしづらくなるなど違和感を覚えました
「視力が落ちたのかな」と考えてめがねを代えたりしましたが、改善はありませんでした。次第に症状は悪化し大きな異変を感じたのは60歳を過ぎてから。
友達と居酒屋に行って「ビールを注ごうとしたんですけれども、コップにぜんぜん入っていない」という事件がありました。「ごめんごめん酔っ払っちゃってるから・・・」とその場を取り繕いましたが、実際見えていないということにショックを受けました。人とすれ違うときも、もう顔だけしかなくて、体が見えないとか、そんな感じで、前から歩いてくる人の体が見えなくなることもありました。
緑内障に気づきにくい理由
脳が視野の欠落をカバーする機能が発見を遅らせる
緑内障が進行していたんです。知らぬ間になぜそこまで悪化したのでしょうか?
実は、その理由はそもそも目に備わっているある特殊な機能にありました。緑内障治療の専門医東北大学の中澤先生によると、
この病気の一番難しいところは、本当に自覚症状が弱いことにあります。あのー気づきにくい理由としては、目がまず二つありますので、片方の悪いところを反対目でまず補ってしまうってこともありますね。
あともう一つは脳が優秀なので、見えないところを画像を補填して、「まるで物が見えてるかのような錯覚」に陥るとそういうことがあります。
片方の目で見えていない部分を反対の目で補完
そうです。緑内障に気づかない理由の一つは、片方の目で見えていない部分を反対の目で補完しているためです。それは健康な人の目でも常に同じことが起こっていると言います。人にはみんな盲点っていまして見えてない場所があるんですけども、人間に備わった仕組みの一つで盲点といいます。なぜ、その部分だけ見えないのかと言うと、目の奥にある網膜という部分が色を感じることで映像を映し出しています。しかし網膜は目の神経の入り口の部分にだけは存在しないため、その部分にあたる映像は映し出されないんです。それでも自然とお互いの目は脳で見えない部分を補うため、普段の生活で盲点に気づくことはありません。
同じように、初期の緑内障でも、視野が欠けていても両目が補完し合い、気づくことは難しいと言うんです。人間に自然に備わってて非常に優秀な機能ということになるんだと思います。悪くなるまで気づかないよくないし、逆に生き抜く機能の強さということになると思います。
緑内障に気づかない理由は他にもあります。映像の一部が徐々に消えていく動画を作ると、その変化に気づくのは難しいことがあります。視野の中心ではなく、「周辺」でゆっくり変わる変化ってのは、気づきにくいのです。そのため、緑内障も「気づきにくい病気」ということになります。緑内障はゆっくり進行します。気づいた頃にはかなり進行しているケースが多いんです。
緑内障は一度進行したら元には戻らない
緑内障は一度進行したら元には戻りません。そういった意味では是非早く検診を受けていただきたいいと思うんです。コロナでパソコンやスマホなど目を酷使する今はいいタイミングじゃないかなと思いました。
緑内障の危険度チェック
緑内障の危険度チェックとしては
- 低血圧気味の人や高血圧治療中の人
- 冷え性や偏頭痛がある場合
- 強い近視がある人
- 寝ている間にいびきがよく止まる人
- 親や兄弟に緑内障の人がいる人
どうでしょうか?夏場でも足が冷え、いびきがしょっちゅう寝てる間止まってます、という人や、いびき以外全部当てはまりましたというあなた。一つ当てはまるだけでも緑内障になる危険リスクは高いということです。
緑内障の検査
眼圧の検査
緑内障の検査には様々なものがあります一つ目は眼圧の検査です。
検査目に空気を吹きかけて眼球にかかっている圧力を測定します。眼圧は本来、眼球内の房水(ぼうすい)という水分を隅角(ぐうかく)という穴から排出することで調整されています。ところが、隅角が目詰まりなどを起こすと眼圧が高くなるのです。そして視神経を圧迫しますと、視神経細胞が傷つき、視野の欠損につながります。
眼圧の正常値は10mmHGから20とされています。しかし、眼圧は、実はあの体位とか姿勢とかその身体の状況によって結構変わるんです。行動別に眼圧を測定したところ日頃やりがちな、
- うつ伏せ寝、
- うつむいた状態でのスマホいじり、
- 腕立て伏せ
で眼圧が上昇しました。これらの姿勢を日常的に長時間続けることは眼圧が上がりやすくなります。「コロナでスマホやパソコンを触る時間が増えた」という方は要注意です。
日本では眼圧が正常でも緑内障になる例が多い
緑内障を診断する上で重要な眼圧ですが、正常値だからといって決して安心はできません。実は、日本人の緑内障って、海外と比べて変わっておりまして、7割の方が「正常眼圧緑内障」っていう病気が多いんです。
もう眼圧が正常でも緑内障になる。だからこそ日頃からの対策も重要です。日本人は目の神経が弱い傾向にあり、眼圧が正常でも緑内障になる場合が多いそう。そこで大切なのが眼圧を測る以外の二つの検査です。
眼底検査と視野検査
一つは眼底検査。特殊なカメラで眼球の奥にある網膜や血管、視神経の状態を見ます。
もう一つは視野検査。正面を見たとき、周りで点滅する小さな光がどの程度見えるか。その範囲から視野の欠損度合いを測定します。
さらに緑内障リスクの目安となるのが、上記の危険度チェック。一つでも当てはまれば眼圧が正常でも将来緑内障になる可能性があります。そこにはそれぞれどんな理由があるのでしょうか?
低血圧だと緑内障になりやすい
血流が悪いために緑内障になりやすいって方もいることが分かってきています。そのタイプの人が低血圧。また高血圧でたくさんの薬を飲んで非常に血圧を下げていると、それもまた人為的な低血圧ということになるかと思います。
冷え性や偏頭痛、睡眠時無呼吸症候群で目に栄養がいきどかない?
さらに冷え性や偏頭痛というのも外からの刺激によって血流が悪くなっているということです。血流が悪くなると視神経に栄養が十分に行き届かず、悪影響を与えます。緑内障のリスクが上がってしまうんです。
いびきが止まること、いわゆる睡眠時無呼吸症候群も同じく血流が悪くなって神経の酸素が不足しがちに。
日本人は近視が多い
近視っていうのは、実は日本人が世界で一番多く近視を持ってるんです。世界一なんですねえ。近視というのは、もともとですね、目が伸びてくる状態なんですね。目が大きくなると、神経自身が薄くなってしまい、さらに血管自身も細くなって血の流れが悪くなってしまうとダブルパンチが目に来るわけですね。ですから近視ってのは実は「目の病気の万病のもと」と言われます。
遺伝も影響 発症率はおよそ9倍
親や兄弟に緑内障の人がいる人は、この後、緑内障にかかる可能性が高いです。
緑内障の症状は本当に様々
緑内障の症状は本当に様々ですので、目の疲れやすいとか、そういう感じれる場合には、片方の目に異常がある場合に反対の目でその悪い方の目の視野をカバーするような形で、疲れて目を酷使してる可能性があります。そういう方がチェックリストに当てはまる方はぜひ目の検査をすることをお勧めします。遺伝は非常に重要で、家族の方に緑内障も方がいると緑内障の危険度が増していると言われておりますも。そうでない人に比べ発症率はおよそ9倍。症状が進行した家族がいる場合は、早めの検査をお勧めします。
誰でも簡単にできる緑内障セルフチェック
そこで、誰でも簡単にできる緑内障のセルフチェック。使うのは中心に点のある黒い方眼紙。A4サイズで十分です。正面に30CM ぐらい離して、眼球自体を動かさないようにしながら、片目ずつ用紙の中心の白い点を見てみてください。この時に周りの格子や白い線の見え方に異常がある場合、一部が
- 欠けていたり、
- 暗くなっていたり、
- にじんでいたり
した場合には、緑内障の危険性がありますので近くの眼科を受診してみてください。
格子の見え方に異常があると、「視野の異常」ということになるかと思います。例えば格子が欠けたりかすんだり一部が暗く見えるなど異常のある場合は緑内障の疑いがあります。
緑内障予防のためのおすすめの食べ物
加齢を悪化させるような酸化ストレスが緑内障に影響を与えるという研究があるようですので、酸化ストレスを抑えるような食べ物が緑内障予防にはお勧めです。
酸化ストレスが緑内障に一部関わることが考えられていますので、おすすめと致しましては、主に
- 緑黄色野菜
- 良質の魚の油
- 納豆などの発酵食品
の豊富なものを積極に取ることは緑内障の頻度を減らすと言われています。
食品はヨーグルトかお漬物はとりあえず毎日何かを食べてみるというのもいいですね。
緑内障のオンラインAI診断が開発段階
緑内障診断では開発段階ですが、チャットボットといってどんな質問にも回答できるようになるそうです。なかなか「眼科の病院に行く」となると大げさですが、パソコンやスマホで気軽に不安な点や症状についてまず相談できるようになれば早期発見につながり、実際に眼科に受診が必要かどうかが判断でき、早く見つかれば点眼薬の治療などを早期に始めることで、失明のリスクを大幅に下げることができます。
セルフ眼底カメラ
これはの眼底検査ができます。これは病院に行かずとも自分で眼底を見られるセルフ眼底カメラ。綺麗に眼底が見えました。これが視歯神経ですね。赤外線で撮影するため目に負担がなく、普通の人でも自宅で手軽に自分の眼底の映像を見たりパソコンなどに記録することができます。東北大学ではこの画像を医療機関などに送ることによって、簡単に遠隔で診察検査ができるように2年後の実用化に向けて研究開発を進めています。お忙しい方が自動血圧計のように家で簡単に目の検査ができるようになればってことを考えて開発しているものです。実際の検査・診察は病院でなければできませんが、こういった手軽なチェックツールを使うことによって、病気に早く気づいてもらうため、早く病院に来てもらうためにこのようなツールを開発しているということです。
視力を悪化させない効果的な予防法
実生活でスマホで動画を見る時間が増えて目が疲れます。視力も姿勢も悪くなりそうです。何か対処法を教えてください。
一番効果的なのは「30分に一度は目を休める」ということです。目にずっと負担がかかり続けると眼球自体が伸びるようになり近眼になりやすくなります。そういったことを防ぐためには、30分に一度でも目を休めて遠くを見るという、地味なようですが、こういう方法が一番効果的です。
こちらは書籍やネット、テレビなどの情報をまとめたものです。参考までに